FIRE とは「Financial Independence Retire Early」の略で、いま欧米を中心に若者の中で流行している考え方で、一般的にはセミリタイアと同義語として使われることが多いです。
働かずに生きていくっていうなんとも夢のある発想だよね。
働かないで生きていくなんて、なんか怪しい発想だと思っていないですか?
FIREは【自分の生活費の25年分をまず用意して、それを投資に回し、利回り内で生活をする】というそこそこ堅実な方法です。
生活費25年分~!?それがまず無理やろ。
- 生活費月20万円の家庭(240万円/年)x 25年 = 6,000万円
- 生活費月30万円の家庭(360万円/年)x 25年 = 9,000万円
- 生活費月40万円の家庭(480万円/年)x 25年 = 1億2,000万円
ということで今回は、もっとハードルを下げて堅実な方法でセミリタイアする、つまりサイドFIREする方法について解説していきたいと思います。
ワタナベ夫婦:
資産1億円を目標に10年以内にサイドFIREすることを目標にしている30代前半夫婦子ども2人。英国で金融の修士号を取得。現在総資産4,000万円を達成。
【令和版セミリタイア】サイドFIREとは?
もう一度いいますがFIREとは、経済的自由を手にいれようという発想です。
仕事を辞めようと勧めているわけではありません。
「働かずに生きていく」というよりは「働かなくても生きていける」状態を作り出すことです。
上司にパワハラされても強い気持ちで辞職できるね。
FIREやアーリーリタイアは完全なる経済的自立ですが、サイドFIREやセミリタイアは生活費を不労所得でまかないながらも一部は継続的に労働収入を得るという考え方です。
そんなFIREよりもハードルが低いサイドFIREの魅力は下記3つです。
サイドFIREの魅力
- FIREより達成しやすい
- FIREよりリスクが低い
- サイドFIRE達成後もやりがいが感じられる
サイドFIREの魅力① FIREより達成しやすい
サイドFIREの一番の魅力は、FIREよりも短いスパンで達成できることです。
FIREをするには自分の家庭の生活費 x 25年分を貯金することが大前提でした。
1億貯めるなんて無理~。
ところが、サイドFIREは定職を辞めたあとも少し働くことが前提になるので計算が下記のようになります。
例えば、月10万円を週に1、2回のパートや副業で稼ぎ続けた場合は・・
それぞれの月から-10万円しましょう。
- 生活費月20万円の家庭(240万円/年)→ 10万円 x 12ヶ月 x 25年 = 3,000万円
- 生活費月30万円の家庭(360万円/年)→ 20万円 x 12ヶ月 x 25年 = 6,000万円
- 生活費月40万円の家庭(480万円/年)→ 30万円 x 12ヶ月 x 25年 = 9,000万円
3,000万円なら支出を減らし毎年200万円夫婦で貯金すれば15年で達成できますね!
月10万円は大きい金額に見えますが、夫婦で5万円づつ稼ぐと考えたらかなり現実的です。
サイドFIREの魅力② FIREよりリスクが低い
多くのFIRE達成者の書く本やブログでは、FIRE後の5年間の経済状況がその後もFIREを続けられるかどうかに最も影響すると言われています。
仕事を辞めたあとに株の大暴落があったら・・
リーマンショックのような市場の大暴落があったときの解決策は1つで、市場の回復を待つことです
暴落はどんなに長くても5年、通常は2年で回復することがほとんどです。大事なことは暴落したときに金融資産を売らずに手持ちの現金で生活することです。
通常は完全にFIREのする場合も、暴落に備えて現金クッションというものを用意するべきですが、サイドFIREの場合はその現金クッションがなかったとしても多少は働き続けているので、労働収入で資産に手をつけずに生きていくことができます。
とはいえ、暴落時には支出を抑え労働収入を増やすことは求められるね。
サイドFIREの魅力③ サイドFIRE達成後もやりがいが感じられる
サイドFIREは本業を退職後も少しは働く必要があるので、仕事のやりがいを感じることができます。
働かないためにFIREしたいのに、なんで働かなきゃいけなんだーー
という人もよく考えてみてください。
もし40代や50代でFIREを達成してしまった場合は残りの寿命は30~50年くらいあるわけですよね。
その時間をずっと遊び続けるって羨ましい悩みながらも多分退屈ですよね?
20代でFIREしたリベ大の両学長も言っていますが、FIRE達成者の95%が仕事をしなくても生活できるにも関わらず、また働いているということです。
人間は「他者から認められたい、自分を価値ある存在として認めたい」という承認欲求のある生き物ですから、適度な労働は多くの人がしたいと思うのが普通のことでしょう。
セミリタイアするには【サイドFIREのやり方】
では早速、自分のサイドFIRE計画を立てましょう。
サイドFIREといっても収入、支出、家族構成、FIRE後に自分が望む生活は人によってさまざま。
サイドFIREのやり方は下記4ステップです。
ステップ① 自分の家計を計算する
まず現状の生活の貯蓄率を計算しましょう!家計簿を必ずつける必要はないですが、何にいくら使っているか支出を管理することはサイドFIREを始める上での基礎になります。
ステップ② 貯蓄を貯める
家計で現状どのくらいの貯金率があったのか計算できたら、次は理想の貯金率を達成するための方法を考えましょう!ここですでに理想の貯金率が達成できていた場合はステップ③にいきましょう。
ステップ③ 投資運用を始める
サイドFIREに絶対に必要になってくるのが資産運用です。リスクを極限まで減らした資産運用の方法を考えましょう。
ステップ④ サイドFIRE後に向けて副業を始める
今すぐ始める必要はないですが、できれば本業と並行して副業を始めたほうが、退職後のイメージがつきます。また副業である程度収益化ができることはサイドFIRE後の生活をイメージしやすくなります。
ここでは簡単にまとめましたが、詳しいセミリタイアの計画の立て方・シミュレーションの仕方はこちらの記事を見てください。
サイドFIREの参考文献
FIREを始めるにあたって参考になった文献を3つ紹介します。いずれも超有名な本なので知っている方がほとんどでしょう。
まずは2020年3月に発売されベストセラー入りした【最強の早期リタイア術】。Kristy Shenさんのを参考にしました。
日本人では30歳で約7,000万円の資産を築きセミリタイアした穂高唯希さんの【本気で FIREをめざす人のための資産形成入門】。
「支出の最適化」と「収入の約8割を投資に回す」というマイルールで再現性の高い資産運用方法がわかりやすいです。
2.26ドルから5年で純資産125万ドルに増やして30歳でFIREした、FIREの第一人者であるサバント・グラティエさんの【FIRE 最速で経済的自立を実現する方法】。
2017年のFIREという考え方が日本に上陸するかなり前に発売された元祖FIRE本です。
ただ、不動産投資をするとお金が増えるという投資方法についても解説されていますが、その点は日本ではアメリカとは状況が違うということも考えて一読するべきでしょう。
セミリタイアするには【サイドFIREのやり方】 まとめ
「働かずに生きていく」という発想は、一昔前だったら「そんなの詐欺だ」、とか「働かないなんてよくない」などと言われてもおかしくない考え方でした。
しかしながら日本はずっと働き方改革後進国でしたが、今在宅ワークやギグ・エコノミーの考え方がどんどん広まってきています。
お金の知識をしっかり学び下記の4ステップを組み立てれば誰でも挑戦することができます。
- 家計管理する
- 節約・貯金する
- 投資・資産運用する
- 副業で稼ぐ
私たちのような普通の夫婦が起業したりして莫大な資産を築くことは難しくても、副業ありきのサイドFIREであれば、グッと身近に感じませんか?
コストの安いところに移住し、生活費を落として副業で残りの生活費を稼ぐということもそんな遠くない将来誰にでもできるようになるではないでしょうか?