個別株の投資を始めたい。どうやって買うの?
自分で個別株の投資先を探す場合は、投資先の会社の経営状況を分析しなければ始まりません。
「なんとなく儲かりそう」で株を購入するのは非常に危険です。
企業分析をせずに個別株を買うのはギャンブルと同じ。
とはいっても企業分析ってめんどくさいですよね。
株を購入するためには、約3,600社ある上場企業のなかから有望な投資先を探さなければなりません。
そのやり方について簡単に説明します。
個別株の買い方 会社の経営状況を分析しよう
今回はもっとも一般的な会社の企業の経営状況を分析する方法をお伝えします。
すべての会社の情報を調べるのは大変ですので、ネット証券のスクリーニング機能(絞り込み検索)を使って、経営状態をチェックしましょう。
今回はSBI証券を使ってみました。
チェックするのは下記ポイントです。
・自己資本比率
・売上高・純利益
・売上高営業利益率
・株価収益率(PER)
・キャッシュフロー計算書
・営業CF
・投資CF
・財務CF
それぞれのチェックポイントについて見ていきましょう。
自己資本比率
自己資本比率は、会社の業績が順調で、利益剰余金が出たり、借り入れの返済をしたりすると上がります。逆に、業績が不調で損失が出たり、新たに借り入れをしたりすると、自己資本比率は下がります。
自己資本比率は高い方がよいと。
確かに自己資本は、安定的な運用を目指す投資家にとっては比率が高いほうがいいです。
業界によっても異なるので一概には言えませんが、一般的には40%以上あると良いとされています。
とはいえ、会社が成長するためには投資が必要なので、借り入れを増やすこともあります。そうすると、自己資本比率は下がり、会社の安全性も下がります。
しかし、投資がうまくいけば会社が成長するので、お得な株を購入できる場合もあります。
また、業務の特性上、金融関連や不動産関連の会社などは自己資本比率が低くなりがちです。
売上高・純利益
売上高が継続的に伸びることは、純利益の増加にも大きく影響します。純利益は、株主にとって一番重要な項目です。売上高・純利益が毎年安定的に増えているか、必ずチェックしましょう。
売上高が、毎年10%程度増加していることが望ましいです。売上高が伸びない状態で純利益を増やすためには、経費削減をしますが、削減には限界があります。そうすると、純利益の成長がとまってしまいます。
過去5年くらいの売上高を確認してみて下さい。
売上高営業利益率
損益計算書に記載されている営業利益を売上高で割ることで、売上高に対する営業利益の割合が見えてきます。
もちろん、売上高営業利益率は、高いほうがいいのですが、業種によっても利益構造が異なります。そのため、1社の数字を見るのではなく、同業他社と数字を比較してみると、わかりやすいと思います。
株価収益率(PER)
PERで、今の株価が割安かどうかを知ることができます。PERは数字が小さいほうが、お得な株となります。だいたい、PER10倍以下だと割安ですが、売上高や純利益の変動が激しい会社などの例外もあります。
海運株や機械株など景気の影響を受けやすい株は業績が安定しないため、PERを見るときには注意しましょう。
また特別利益があがっていると、本来のPERの数値よりも低いことがあります。
その場合には、経常純利-税金(約40%)で計算してみて下さい。
税金をきちんと払っていない会社についても注意してください。
脱税の話している会社と言うわけではなく、前期まで赤字が続いていた会社は黒字になっても税金が一部免除されることがあります。
自己資本利益率(ROE)
少ない資金で多くの利益をだす会社のほうがいいですよね?それが、自己資本利益率になります。目安としては、ROE10%以上あると、効率的な経営をしているといえます。
自己資本比率が低くなりすぎると、借り入れの返済などで経営を圧迫するため、安全性が下がりますので、自己資本比率もチェックしましょう。
キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー(CF)計算書は、お金の流れが簡単でわかりやすいので、ぜひ参考にしてみて下さい。
営業CF
本業による収入と支出の差額を表します。営業CFがプラスの場合は、本業が順調だということになります。営業CFがマイナスの会社は、本業で不調ということなので、注意が必要です。
投資CF
投資CFとは、建物や工場などの固定資産や株、債券などの取得や売却した時のお金の流れを表しています。通常、営業活動を行っていくためには、投資が必要なため、投資FCはマイナスなことが多いです。
投資FCがプラスの場合は、会社が持っている設備や株などを売った金額が、投資分を上回っていることを示しています。
財務CF
お金の不足分をどのように補ったのかを表しています。株主に、配当を支払ったり、銀行に借り入れを返済した場合には、マイナスになります。逆に、借り入れなどで資金調達するとプラスになります。
個別株の買い方 まとめ
個別株を買う場合は、投資信託やETFなどのセットの金融商品を買う以上にボラティリティが高いため、しっかりとした企業分析が必要になります。
個別株は儲かれば利益も大きい分、振れ幅が大きいため大きな暴落に遭遇してしまえばその分大きく損する可能性も高いのが特徴です。
投資初心者はまずは財務諸表から基本的な企業分析をする癖をつけてみるのもおすすめです。
\ 企業分析もしやすい/