セミリタイアのためにどんなポートフォリオを組んだらいいかわからない。
今回は、株式投資初心者の夫婦がポートフォリオを作る過程で考えたことをまとめます。
夫は投資こそ初めてですが、金融業界で10年働いているためそこそこ詳しい方です。一方で妻は金融は完全なるド素人。詳しい人から初心者が学び、初心者がこの記事が理解した内容をまとめました。
ポートフォリオの作り方には色々あるけど、今回は私たちが使って便利だったやり方を紹介するよ。
- 単純に他人のポートフォリオの決め方が気になる人
- サイドFIREのためのポートフォリオの組み方を迷っている人
ワタナベ夫婦:
資産1億円を目標に10年以内にサイドFIREすることを目標にしている30代前半夫婦子ども2人。英国で金融修士号を取得。米国株を中心に運用。現在総資産4,000万円を達成。
投資のポートフォリオを作るときの難易度別
投資のポートフォリオは、個別株や投資信託などの金融商品を組み合わせることです。
ほとんどの人がリスク分散のためにポートフォリオを組みます。
ポートフォリオを作るのは投資中級者にとっては投資の楽しみの一つでもありますが、何もわからない投資初心者にとっては何から手を付けてよいかわかりません。
そこでレベル別におすすめしたいのが下記の運用方法です。
①投資超初心者:ロボアドバイザーにポートフォリオを作ってもらう
②投資初心者:インデックス投資または投資信託を購入する
③投資中級者:ポートフォリオビジュアライザーで検証する
①ロボアドバイザー
代表的なロボアドバイザーシステムとしては、資産運用を一任できるタイプにはWealthNaviやTHEOなどがあります。
私自身、最初の投資はWealthNaviから始めました。
初心者にとっては、ほったらかしにしておいても時間や手間をかけずに資産運用ができるので便利です。
お金がお金を生む感覚から学びたいという人にはおすすめです。
一方で、ポートフォリオの内容は自分で選べなくて歯がゆいという人には向きません。
また、ネット証券などを利用して自分で同じポートフォリオを作れる人にとっては、手数料が高いのである程度慣れたら、ネット証券から購入する方がよいでしょう。
②インデックス投資をする
インデックス投資とはインデックス(市場の動きを示す株価指数)に連動するようにたくさんの銘柄への投資を行うことです。
つまり、インデックス投資=分散投資となります。
よく聞くS&P500や日経平均もインデックスファンド。
インデックス投資は、インデックスと同じ値動きになるよう設計されたETF(上場投資信託)や投資信託を購入するだけで始めることができます。
資産配分と購入したい投資信託とETFの銘柄を選ぶだけでポートフォリオを簡単に作ることができます。
投資信託でセミリタイアするために必要なことにも投資信託の魅力をまとめています。
投資信託やインデックス投資などを組み合わせることで、さらに分散投資が可能になります。
インデックス投資や投資信託を組み合わせてポートフォリオを作るのがおすすめ。
③ポートフォリオを自分で作る
自分でポートフォリオを作る方法については次に詳しく説明します。
最もコストが安いのはSBI証券か楽天証券です。
どちらかを選ぶかは好みにもよるのSBI証券と楽天証券の使い分け方法の記事も参考にしてください。
ポートフォリオ作成におすすめの投資ツール
私たちが使ってよかったのは、Portfolio Visualizer(ポートフォリオビジュアライザー)です。
ポートフォリオビジュアライザーは登録などの必要なく無料で使えるサイトです。(無料版の場合は25銘柄まで)
機能は実にさまざまですが、投資初心者に便利な機能は主に下記2つです。
- 有名投資家のポートフォリオを参考にできる
- 配当金の再投資のシミュレーションができるのでセミリタイア向き
ポートフォリオビジュアライザーは海外のサイトなのですべて英語のサイトですが、簡単に説明するので安心してください。
有名投資家のポートフォリオを参考にできる
このポートフォリオビジュアライザーにはバフェットや有名投資家のポートフォリオも入っているので、それらと比較しながらポートフォリオを作成することができます。
投資家のものだけでなく、【バンガード500】や【S&P500】、【QQQ】に全振りした場合の利回りなども検証することができます。
いろいろ考えてみた結果、私たちはオールシーズンズ戦略がもっとも初心者でもリスク低く運用できて、さらに利回りも期待できると考えたよ。
オールシーズンズ戦略とは?
投資家のレイ・ダリオ氏が提唱するあらゆる経済状況で安定したリターンを上げるために設計されたポートフォリオ。不況にも、好況にも強い、安定しており個人投資家向けだと言われている。リーマンショック時にも+3.2%の利回りを出した。
セミリタイア向きのシミュレーションができる
ポートフォリオビジュアライザーでは配当金の再投資前提のシミュレーションやリバランシングの頻度を入れたりすることもできます。(配当金についてはBack Portfolioのみ)
セミリタイア後には資産の取り崩しをせずに、配当金のみで生活することを考えている人も多いでしょう。
まず Portfolio Visualizerにアクセスします。Backtest Asset Allocationをクリック。
- Backtest Asset Allocation
株・国債・金などの金融商品の割合を大まかに検証したいとき - Backtest Portfolio
個別株など具体的な銘柄と配分を指定して、パフォーマンスを検証したいとき
前提条件を入力します。運用期間から配当金の再投資、積み立て、リバランシング、レバレッジなどの設定が細かくできます。
Asset AllocationのAsset Classから株式、債券、REITなどを選びます。
国際株はありますが、日本株や仮想通貨の選択肢はまだありません。
セミリタイアのポートフォリオの作り方
サイドFIREのポートフォリオはいろいろなやり方があります。
今回は私たちがサイドFIREを目指すためのポートフォリオを作る上で考えていったのは下記のステップです。
- ETF、投資信託と個別株などの配分を決める
- 選んでいる銘柄に偏りがないか確認する
- 過去のリターンを市場平均のリターンとともに確認
(個別株投資をするなら市場平均を上回らなくては意味がない) - 投資家のポートフォリオとパフォーマンスも参考程度に確認
- バックテストしてみる
順番に見ていきましょう。
①金融商品の配分を決める
最も一般的なのは、日本株、海外株式、国内債券、海外債券などのリスクと利回りが異なる動きをする金融商品を組み合わせることです。
下記の要素を考慮してポートフォリオを組みます。
- 運用目的
- 運用期間
- 今の年齢
- 余剰資産額
- リスク許容度
今回はセミリタイアが目的の運用なので、運用期間は10~25年程度と考えます。
年齢が若い人だとより運用期間が長いので、よりリスク許容度が高くなるでしょう。一方で高齢の方はローリスク・ローリターンの国債の所有率が高くなってくる場合が多いです。
「株式の割合=100-年齢」
「債券の割合=年齢」
なんてことも言われています。
②選んでいる銘柄に偏りがないか確認
金融商品はリスクが大きくなるとリターンも大きくなりやすいという傾向があります。
ハイリスク・ハイリターンのものばかりをポートフォリオに組み込むんでしまうと、せっかくのポートフォリオの意味がありません。
株が暴落したときのためにめ、国債やコモディティを組み込んでおくなど、商品に偏りが出ないようにしましょう。
資産運用がよくわ駆らない人向けの金融商品の選び方についてはこちらを参考にしてください。
③ 過去のリターンを市場平均のリターンとともに確認
投資しようとしている金融商品の過去20年は少なくとも、リターン(利益率)のプラスとマイナス、ボラティリティなどを確認しておきましょう。
近年のように調子の良かった年だけみて投資先を決めると投資直後に暴落があることは珍しくありません。
S&P500は2019年から3年連続2桁%の上昇!!もうこれは全財産入れとけば間違いなし!
という発想は危険です。
3年以上2桁の上昇率が続くことは異常な自体は過去20年分を確認すればよくわかります。
米国株の投資信託やインデックス投資は基本的には上昇傾向ですが、それは長期保有を前提としていますので
④ 投資家のポートフォリオとパフォーマンスも参考程度に確認
有名投資家の持っている銘柄を丸パクリするのは危険ですが、どのくらいのパフォーマンスがでているかを参考にする程度にとどめましょう。
有名投資家は自分で市場を分析して適宜リバランシングをするので、一般投資家がそれと同じように適切なタイミングで判断するのは至難の技です。
現にトレーダーですらここ数年、インデックスファンドの利益率に勝てていないという事実があります。
投資の神様のバフェット平均利益率が約年20%といわれています。
バフェットですら、読めない相場時期はあるのでむやみに個別株投資の割合を増やしたりすることは辞めておいたほうが無難です。
⑤ バックテストしてみる
先ほど紹介した方法でバックテストができるので、シャープレシオ(効率係数)とソルティーノレシオを確認しておきましょう。
セミリタイアのポートフォリオの作り方 まとめ
今回は、ポートフォリオの作り方について難易度別に下記3つの方法をご紹介しました。
①投資超初心者:ロボアドバイザーにポートフォリオを作ってもらう
②投資初心者:インデックス投資または投資信託を購入する
③投資中級者:ポートフォリオビジュアライザーで検証する
最も簡単に資産運用できるのは、投資一任型のロボアドバイザーにお金を突っ込んでほったらかし投資をすることです。
投資に慣れてきたら、数ある投資信託やETFの中から商品を選びながら、ポートフォリオを組んでみることです。
それに個別株や国債、金などのコモディティも追加したい場合は、一度ポートフォリオビジュアライザーで検証してみると面白いですよ。
ポートフォリオビジュアライザーはこちら